化学・素材メーカーに転職したいんだけど、実際どうなの?
化学業界で4年間働いていた僕が解説するね
Contents
化学・素材業界は本当にホワイトである

【化学・素材業界がホワイトな理由】
- 生産性が高く、儲かっている
- 理知的で落ち着いた雰囲気の人が多い
- 待遇や福利厚生が良い
- 個人ごとのノルマがあってないようなモノ
業界的に落ち着いた理知的な人が多い
供給側が強く顧客にNOと言える環境が、穏やかな雰囲気を作っていると思います。
総合化学メーカー旭化成㈱の口コミを一部抜粋しますが、化学にはこういった口コミが多いです。
営業/在籍3年未満/現職/中途入社
在籍する社員はとても優秀だがイヤミはなく、人柄の良い人が大半。企業全体の雰囲気としても、とてもアットホームな雰囲気を感じる
部場長以上は、5年以内に異動するというルールがあり、権力の集中や腐敗が起こらないように徹底されている。
また理系出身者が多く、合理的で穏やかな人が多いのも特徴です。
実は生産性が非常に高い。
化学業界は、日本でアメリカより唯一生産性が高い業界です。

引用元:産業別労働生産性水準の国際比較 (公益財団法人 生産性本部)
アメリカより生産性が低いことで有名な日本ですが、化学だけは負けていないのです!
待遇面:生涯年収も福利厚生悪くない
化学業界は「まったり働きたいけど、それなりの年収が欲しい」方にはぴったりの業界です。
順位 | 全上場企業 | 企業名 | 平均年収 | 推定生涯賃金 |
1位 | 15位 | 三菱ケミカルホールディングス | 1,440万 | 4億6,224万 |
2位 | 62位 | サントリー食品インターナショナル | 1,086万 | 4億536万 |
3位 | 101位 | 富士フィルムホールディングス | 971.2万 | 3億2,140万 |
上位はホールディングスが占めていますが、生涯年収2億5,000万円以上の会社はたくさんあります。
また、化学・素材業界はメーカーが多く、福利厚生が充実しているため高い生活水準を確保することが可能です。
もっと詳しく知りたい方は、化学業界平均年収ランキングをご覧ください。
ノルマがあってないような感じ

営業マンには毎年販売目標が課せられますが、達成しなくても怒られません。
理由は、「無理して売れる製品ではないから」です。
化学・素材メーカーの顧客は、製薬会社・アパレルメーカー等の一般消費財になります。
顧客製品の調子が良ければ、原料も多く使いますし、その逆も然りです。原料なので売れるときは黙ってても売れますし、売れないときは頑張っても売れません。
ドラマでよくある、ホワイトボードに個人成績のグラフがあったり、セールストークを徹夜で練習するといったキツイ営業スタイルではありませんので安心してください。
あたり前ですが、サボって競合にシェアを奪われたら怒られますけどね!(笑)
これからもホワイトな業界であり続ける理由
だと僕は業界人の私は思います
【化学・素材業界がホワイトであり続ける理由】
- 参入障壁が高く、安定的な利益を見込める(技術・資金面)
- 日本企業の技術力が非常に高い
- 国内での需要伸長が見込まれる
- 今以上に高い生産性を実現する
参入障壁が高い為、競争が激化しない

化学業界がホワイトな理由は「技術的、資金的に」新規参入が程不可能という点です。
数百億円単位の投資が必要な化学産業は新規参入が難しく、今後も安定的な利益を確保できることが見込まれます。
社会インフラ系(ガスや水道)もホワイト企業が多いですが同じ理由です。
日本の化学企業の技術レベルは高い
化学メーカーは、高圧ガス法、毒物劇物取締法に抵触する危険品を製造していますが、日本のプラントは安定的に稼働しています。
しかし、世界の化学工場では爆発や火災が頻繁に起きています。
参考:2019年3月中国江蘇省塩城市の化学工場爆発(SankeiBiz)
高いプラント運用能力と、製品開発力によって今後も世界をリードし続けます。
就職・転職のまどサラリーマンさんのこちらの記事が詳しいですので、気になる方はお読みください。
ブランディングの必要性が低い

日本メーカーのマーケティング、ブランディング能力は非常に低いです。
「良いものを作っていれば売れる」という神話がいまだに根強い電機メーカーは、ブラック企業対象を受賞したり、外資に買収されていますね。。。。
しかし化学・素材メーカーは「品質と価格」のみの勝負になるので、日本が強い分野です。
原料でブランディングの差は出ません。良いものを作り、ユーザーに周知すれば売れるのです。
国内に工場移転を検討する企業多数
海外に工場を移していた企業が、国内回帰の動きを見せています。
国内工場が増えるのは化学・素材メーカーにとって非常に良いニュースです。
有名企業新工場稼働予定
操業開始時期 | 会社名 | 新設場所 | 投資額 |
2019年 | 日清食品 | 滋賀県 | 約575億円 |
2019年 | ユニ・チャーム | 福岡県 | 約35億円 |
2019年 | IHI | 島根県 | 約245億円 |
2020年 | 小野薬品工業 | 山口県 | 約210億円 |
2021年 | 資生堂 | 福岡県 | 400~500億円 |
2021年 | ライオン | 香川県 | 最大400億円 |
日経ビジネスオンラインの取材によると、2015年以降日本国内で300以上の工場が新設or新設計画があるのです。
年々国内の設備投資額は増加しており、雇用が生まれることが期待されています。
高い生産性が続く

化学業界が生産性が高いのは「技術力と資本力」が要因です。
言い方を変えれば、化学業界は理系の研究力と資金力で製品を開発し、文系が営業をしている業界です。
営業活動自体は非効率的で、昭和な業界と言えます。
【化学業界の非効率な慣習】
- 年末に紙のカレンダー配りをする(手持ち)
- オーダーの大半はファックス
- 年始の1週間は挨拶回りで終わる
完全に化学業界は昭和の営業スタイルですね(笑)
これだけ改善の余地を残しながら生産性が高い業界なので、無駄な業務プロセスを改善すればもっと高い生産性を獲得できるでしょう!
まぁ、今後も儲かっていくのであんまり変わらないと思います。
化学業界に就職すべき人・そうじゃない人

化学業界はホワイトかつ、成長産業であることは分かって頂けたと思います。
しかし、全員にオススメする業界かと聞かれるとそうでもありません。
化学業界で5年働く私が、向いていると思う人の特徴をお教えします!
化学業界に向いている人の特徴

化学業界に向いている人は「仕事を正確にこなすのが得意な人」と「仕事にコスパを求める人」です。
化学業界は、可燃物や危険物を扱うためミスに対して非常に敏感な業界です。
なので、評価がどうしても減点方式になりがちで、「クリエイティブな仕事がしたい!」「俺の力で業界を変えてやる!」と言った野心家が評価されにくいのが実情です。
逆に、組織のルールを守り誠実に仕事をする方が向いている人には、居心地の良い業界と言えるでしょう。
真面目に組織のルールに従っていれば安定して、それなりの給料がもらえるコスパの良い業界です!
逆に「クリエイティブな仕事がしたい!」、「将来起業したい!」と考えている人には、向いていない業界ですので、間違っても化学業界に来てはいけません。
不況に強いので、安定志向の人にはオススメ
不況で業績が落ちることは他の業種と同様ですが、その景況は少ないです。(逆に世間がイケイケの時は、ふつーに景気がいいね位です)
化学原料は、人間が生活していれば絶対に消費されるので、リストラやボーナスカットの憂き目に会うことが非常に少ないです。
福利厚生も手厚いので、家族がいる方は特にオススメします。
化学メーカーの仕事はつまらない?
化学業界は社会に必要で豊かさを支えている自負はあるものの、地味な仕事でイマイチ世の中に貢献しているか感じられないのが辛い仕事です。
私は入社から3年11ヶ月化学業界に身を置きましたが、2020年10月に興味のあったウェブ業界に転職しました。
理由は、20代のうちは成長産業に身を置いた方が30代、40代のキャリアを有利にすることができると考えたからです。
下の表は、自分がどんな時にストレスを感じるか?を数字で表しています。

化学業界そのままじゃないか!全く適性なかったね!
あまりにも化学業に適性がなかった私は、転勤先(大阪)で辞めるという決断をし、年収も下げず念願のWeb業界に転職できました。
私は古風な化学業界から、ウェブ業界へ転職しました。
化学業界に入れる人は、真面目で頭の回転が早いので、ウェブ業界とはかなり相性がいいです。
化学業界サラリーマンはハイスペックな人が多いので、転職するならリクルートエージェントやDODAのような大手エージェントが一番いいですね。
おすすめのエージェントと転職サイトまとめておいたので、ぜひ活用して下さい!

自分の市場価値は把握しておくべし!
そう考えて転職活動を始める方は、自分の市場価値と年収を測ることができるアプリ「ミイダス」で診断してみることをオススメします。
診断といっても今までのキャリアをポチポチ押すだけなので、ゲーム感覚で面白いのでオススメです。(今の年収よりも高い数値が出ると、自尊心が上がるので楽しいです)
ちなみに、私の適正年収は729万円(29歳)らしいです。
また、この診断結果で企業からオファーが届くので、登録と診断に5分程度かける価値は十分にあると思います。
ミイダス公式サイトURL:https://miidas.jp/
一人でも多く、楽しく働ける未来が訪れることを願っています!
では!